素粒子論(細谷)グループ

スタッフ

細谷 裕(教授)、尾田欣也(准教授), 高杉英一(招へい教授)

研究分野

素粒子物理学、場の理論、宇宙論

研究目的

物理の基本原理は何か。物理の基本法則は何か。素粒子と宇宙を支配する真理を探求する。 自然現象、宇宙現象を理解し、宇宙の誕生から今日までの歴史を解きほぐす。現在の最大のテーマはヒッグスボゾンや暗黒物質の正体、宇宙膨張インフレーションの解明である。背後 には、余剰次元や超対称性が潜んでいるかもしれない。超弦理論も現実に届くかもしれない。

研究テーマ

素粒子統一理論、初期宇宙論、余剰次元、暗黒物質、インフレーション

研究内容

1. 素粒子の統一理論

素粒子相互作用の統一はゲージ理論で実現される。ゲージ理論の背後に超弦理論がある。LHC でヒッグス粒子が発見されたが、その正体は不明だ。ゲージ場とヒッグス粒子を統合する理論、ボゾンとフェルミオンを結ぶ超対称性理論、素粒子相互作用の大統一理論、重力と時空の起源を明かす。

2. 宇宙論、暗黒物質、インフレーション

標準宇宙論と素粒子標準模型はどちらも輝かしい成功を収めたが、標準宇宙論において宇宙のエネルギーの 95%は標準模型では説明がつかない暗黒物質と暗黒エネルギーで占められていることが確定した。宇宙論は標準模型を越えた新物理の窓である。この先 10 年にわたって宇宙背景輻射の B モードや暗黒物質の直接探索などの新データが続々と出てくることが予想され、宇宙のインフレーションの起源とからめて素粒子物理の大きな進展が期待される。

3. 細谷機構

対称性原理と対称性の自発的破れは物理を支配する。細谷機構は、余剰次元の量子効果でゲージ対称性を自発的に破る機構である。ヒッグス粒子とゲージ場を統一し、力を統合する。この細谷機構は格子ゲージ理論の数値シミュレーションでも非摂動的に確立できる。これから5年、遂に、加速器実験での検証の時代に入る。

4. 博士 (Ph.D) の輩出

2015 年度は4名、2014 年度は5名、2013 年度は3名、2012 年度は1名が博士 (Ph.D) を取得した。そのうち、研究職についたのは、各年度、2名、3名、3名、1名である。

研究協力

他の素粒子理論(大野木,橋本,窪田)グループと一体となり研究活動をする。毎週、セミナーを開催、他大学や研究所の理論グループとも積極的な交流を行う。